会 長 挨 拶


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日本視覚障害ヘルスキーパー協会
会長 加藤武司

 私たちあん摩・マッサージ・指圧師、はり師、きゅう師はその技術を通して国民の健康の維持・増進に務めております。細分化された現代医学とは異なり、全人的医療という特徴を持つ東洋医学の伝統を受け継ぎながらも、施術の科学化・客観化に取り組んで参りました。今日では地域に根差し、国民のニーズに応えられる安全で有用な施術となっております。
 そして、近年になってこれらあん摩・マッサージ・指圧、はり、きゅうを産業労働衛生分野においても活用しようと考えられるようになりました。
 現在、働く人々はストレスに覆われ心身の疲労を抱えております。その結果として、働く人々が地域の医療機関や施術所へ訪れるという受療行動を多く見受けます。しかし、場合によっては医療機関で種々の検査を受けても異常が見出せなかったり、通うこと自体が時間的制約から容易ではないのが現状だと存じます。
 私たちが事業所の中で施術出来るようになれば、未病といわれる病気の一つ手前の段階からより積極的な健康づくりを提供できるでしょう。さらにより身近な存在として事業所固有の背景を踏まえた上で個人に着目した施術は高い効果を示し、活き活きとした職場づくりに寄与出来るとも確信しております。
 また、あん摩・マッサージ・指圧師、はり師、きゅう師は視覚障害者の伝統的な職業として今日においても位置づけられております。視覚障害者は他の障害者に比べ企業等で働くことが難しいと言われており、実際に雇用されている人数も多くはありませんでした。しかし、視覚障害を持つあん摩・マッサージ・指圧師、はり師、きゅう師が企業等に雇用されその任にあたることが出来れば課題であった視覚障害者が企業等に雇用され就労することを可能にします。
 これら二つの観点から“ヘルスキーパー”が誕生したのです。ヘルスキーパーは長い間、視覚障害者が業として携わってきたものを企業の中でさらに発展させようとするものです。雇用してから業務の切り出しを行うのではないところに特徴があります。だからと言って地域で行ってきたことをそのまま企業等の中で行えば良いと存じているわけでは決してありません。企業等の中で一定の機能を果たしていくためにはそれなりの専門性が必要となって参ります。それなしではヘルスキーパーの発展は望めないからです。
 私達は1992年にヘルスキーパーの資質の向上を図るために協会を設立いたしました。おかげさまをもちましてヘルスキーパーは視覚障害者にとって身近な職業となりつつあります。ともすれば初心を忘れてしまうこともないとは申せません。しかし、そのようなことだけはあってはなりません。いつまでも企業等の中で「何が求められているのか?」を問い直し、そのためには「何を学び、磨かなくてはならないのか?」を考え、行動しなければなりません。これが協会唯一の立ち位置です。どうか、ご理解と応援をお願い申し上げます。そして、ヘルスキーパーの方々には是非入会されることをお勧め申し上げます。 末筆ではありますが厚生労働省をはじめ、高齢・障害者雇用支援機構、都道府県の障害者雇用促進協会、盲特別支援学校、理療教育施設の関係者、さらには、ヘルスキーパー制度を導入されている企業の方々のご指導とご協力に心より感謝申し上げます。


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